トップ野球少年の郷第9回
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第一章 墨谷第二中学校 谷口キャプテン編−8

B墨谷二中×隅田中(地区予選準決勝)球場=不明

 墨二が延長戦の末勝つ。それ以外の得点経過は不明。

 〈検証〉隅田中学について
 
 この試合は『キャプテン』には収録されていない。当時隅田中の三年だった倉橋が墨谷高校野球部に再入部した時にこの試合の存在が明らかになる(プ八巻七〇頁)。この倉橋と二年生エースの松川のバッテリーに墨二が苦しめられて延長戦の末かろうじて勝つ。

 では、この隅田の実力はどれほどのものだったのだろうか。

 このとき対戦した墨二は金成戦を通じて強くなっていると思われるから、それを苦しめた隅田は相当強いと考えられるだろう。少なくとも金成よりは強いのではないか。
 しかし、対戦した時の墨二は対青葉用の特訓をする前であり、それと互角ということは青葉に勝てる力は無かったということだろう。青葉学院戦の項で述べるが、青葉は地区予選では二軍でしか戦わないので、隅田の実力は青葉の二軍以下といえるだろう。ただし、倉橋は当時「地区随一の名捕手」と噂されており(プ八巻七一頁)、少なくとも青葉の二軍捕手よりは上ということだ。もしこの「地区」の中に青葉の一軍も含まれているのなら、倉橋は青葉の一軍のレギュラーを張れる実力の持ち主であり、実際の青葉一軍の捕手は四番打者で、それより上ということは、倉橋は青葉一軍の四番を打てるとんでもない捕手だったことになる。

 それでも隅田が青葉二軍より弱いということは所詮倉橋のワンマンチームだったということか。いや、松川もいい投手だったようだから、バッテリーがこれだけいいのに青葉の二軍以下ということは、他の連中は役立たずだったということになる。

 この隅田中学、墨田ではなく隅田だったところをみると、隅田川の近くにあると思われる。必ずしも墨田区にあるとは限らない。

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