トップ野球少年の郷第39回
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第三章 墨谷第二中学校 丸井キャプテン編(キャプテン 五〜九巻)−10

E墨谷二中×青葉学院中(地区予選決勝)球場=高野台球場

 青葉学院 200 000 003 000 000 000=5
 墨谷二  400 000 001 000 000 002=7 (延長一八回)
 勝=イガラシ 負=青葉M 本=藤田(近藤)、青葉A(近藤)、イガラシ(青葉M)

 圧倒的な強さで勝ち進んできた墨二と、例年通り二軍で勝ち上がってきた青葉との決勝戦を迎えた。前年の雪辱に燃える青葉はもちろん全員一軍である。

 これまで予選ではノーヒットに抑えていた墨二先発の近藤は初回、先頭の中村にいきなりヒットを許し、二番藤田に先制2ランを浴びた。
 しかし、その裏の墨二は選抜では無失点で優勝投手になった佐野に連打を浴びせかけ,四点を奪って一気に逆転した。

 その後は両チームの好守で試合は膠着状態になり、四―二で墨二が二点リードのまま、最終回の青葉の攻撃を迎えた。無死一、三塁のチャンスを得た青葉は四番打者がバックスクリーンへ逆転3ラン。このとき既に肩を壊していた近藤はここで降板。イガラシの見事なリリーフでその後の失点は許さなかった。
 一点ビハインドの墨二はその裏、先頭の丸井がファーストゴロを打ったときにベースカバーに入った佐野が倒れ、佐野も降板。二年生の大橋がリリーフに立った。墨二はこの大橋を攻めて無死二、三塁のチャンスに五番の小室がレフトへ犠牲フライ、試合を振り出しに戻した。

 延長に入り、両チームはなかなか得点できずにいた。青葉は意表をつくリリーフを次々送り込み、墨二もイガラシの好投とナインの好守で得点を許さなかった。しかし、選手層の薄い墨二がだんだん不利に追い込まれていった。
 そして延長最終回の一八回表、墨二はピンチを迎えるも、なんとか〇点で凌ぎ、この試合での負けはなくなった。もっとも、とても再試合ができる状態ではなかった。

 延長一八回裏、一死から立っているのもやっとの丸井が三遊間安打で出塁、さらにボロボロになっているイガラシが打席に向かった。もうヒットを打っても丸井は走れないと悟ったイガラシは一発を狙い、見事にサヨナラ2ランを放った。

 しかし、地区優勝を決めた墨二だったが、この試合で全ての戦力を失い、全国大会出場を棄権したため、丸井にとって墨二での最後のゲームとなった。

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