トップ野球少年の郷第47回
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第四章 墨谷高等学校 谷口二年生編(プレイボール 八〜一八巻)−6

@墨谷高×言問高(東京大会一回戦)球場=駒沢球場

 墨谷 4  =?
 言問 0  =? (墨谷のコールド勝ち) 

  勝=松川 負=岡村

 東京大会一回戦。弱小の言問(こととい)相手に墨高ナインはナメてかかり、初回一、二番がアッサリ凡退。しかし倉橋、谷口の連続バントヒットでムードが変わり、言問を調べ尽くした半田のデータも役に立って地力を発揮、言問にコールド勝ちした。

A墨谷高×?高(東京大会二回戦)球場=?

 二回戦も墨高のコールド勝ち。それ以外は不明。

 〈検証〉東京大会開幕

 東京大会の組み合わせが決まり、墨高は偵察隊を結成(プ一一巻一三七頁)。弱小の言問を偵察したのは山本、太田、戸室、鈴木、須藤の五名だったが(プ一一巻一七一頁)、ハッキリ言ってロクな偵察をしてこなかった。そのため後に半田が一人で偵察してくるのだが(プ一一巻一八三頁)、山本は言問のエース岡村を見ているにもかかわらず「へーえ、半田もいっていたが、けっこうスピードがあるじゃねえか」と初めて見たようなことを思っているのだ(プ一二巻一八頁)。ちなみに山本は岡村のことをみんなには「速いっちゃ速いが、遅いっちゃ遅いような」と説明している(プ一一巻一七一頁)。

 もっとも、ロクな偵察をしなかったのは中山も同様で、三年生の中で比較的まともな偵察をしたのは谷口や半田と一緒に中井高校を偵察した山口だけだった。さすがにこれには下級生の倉橋もブチ切れた(プ一一巻一七九頁)。
 ところでこの言問高校、墨田区にある言問橋周辺にあると思われるが、そうだとすると墨高に比較的近いところにあると思われる。ところが言問高校は、(墨高からは)電車で行かなくちゃならんところ、なのだそうだ(プ一一巻一六一頁)。

 コラム@で書いたように、墨谷のモデルは墨田区の八広だと思われるのだが、八広駅の北側から言問橋までは水戸街道と呼ばれる国道六号線一本で行かれる。野球部員なら自転車で行けない距離でもないとも思えるが、自転車で行くと案外きつい場所にあるのかも知れない。それとも「墨谷=八広」説が誤りなのだろうか。まあ、墨高が八広駅の南側にあるとすると、また条件が変わってくるのだが。

 それはさておき、墨高絶対有利の下馬評で始まった一回戦の言問戦、言問をナメてかかった山本、太田の一、二番コンビはアッサリ打ち取られた(プ一二巻二六頁)。三年生たちはずっと弱小の墨高として対戦校からナメられっぱなしで、弱小を相手に戦った経験が無かったのだ。

 そこで倉橋は試合のムードを変えるため、セーフティバントを成功させた(プ一二巻三四頁)。そして谷口もなんと連続バント(プ一二巻四〇頁)。それにしても言問は、エース岡村の低めの速球は威力があるし(プ一二巻二二頁)、キャッチャーの肩も強いし(プ一二巻三七頁)、『プレイボール』に登場する高校には珍しく監督がいるし(プ一二巻八頁)、さほど弱いチームには見えないのだが。野球で名の通った城東よりはよほど強そうだ。

 とはいえ墨高とはやはり力の差は歴然の上に、半田の偵察は完璧で、言問を丸裸にしていた。墨高ナインが謙虚に半田の指示に従うと(プ一二巻四一頁)、もう言問など相手ではない。

 墨高は初回に四点を先制し、守っては先発の松川が言問打線を寄せ付けず、何回かはわからないがコールドで難なく言問を退けた(プ一二巻七一頁)。

 また、二回戦もコールド勝ちで、墨高はアッサリ三回戦に進出した。

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