トップ野球少年の郷第2回
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第一章 墨谷第二中学校 谷口キャプテン編(キャプテン 一〜五巻)

☆戦績

 @地区予選一回戦 ○墨谷二 2―1 江田川  ● 勝=松下 負=井口
 A地区予選二回戦 ○墨谷二 ?―? 金 成  ● 勝=松下 負=金成@
 B地区予選準決勝 ○墨谷二 ?―? 隅 田  ● 勝=松下 負=松川
 C地区予選決勝戦 ●墨谷二 10―11 青葉学院 ○ 勝=佐野 負=松下
 D全国大会決勝戦 ○墨谷二 10―9 青葉学院 ● 勝=谷口 負=佐野
  
☆主なメンバー
  墨谷二中
   松下(三年)投手・右投右打 墨二ただ一人の投手だったが、スピードがない。
   小山(三年)捕手・右投右打 副キャプテンの五番打者。
   加藤正男(二年)一塁手・左投左打 墨二唯一の左打者。
   丸井(二年)二塁手・右投右打 イガラシにレギュラーを奪われるも復帰。
   谷口タカオ(三年)三塁手、投手・右投右打 松下負傷後は投手も務める。
   高木(二年)遊撃手・右投右打
   遠藤(二年)左翼手・右投右打
   浅間(三年)中堅手・右投右打
   島田(二年)右翼手・右投右打
   イガラシ(一年)二塁手、投手・右投右打 松下負傷後はエース。
  他の学校
   井口源次(一年)投手・左投左打 江田川中のエース。球は速いがノーコン。 
   佐野(二年)投手・左投左打 青葉学院中のエース。速球と変化球を駆使する。
 
 ○谷口、青葉学院中学から墨谷第二中学に転校

 青葉学院中学二年生、谷口タカオは東京の下町にある墨谷第二中学へ転校してきた。普通、転校する時の理由は引っ越しがほとんどだが、谷口の場合はそうではない。
 谷口が通っていた青葉学院は中学野球界の名門中の名門、谷口が通学していたころは春の選抜大会優勝、夏の選手権大会連覇という圧倒的な力を誇っていた。そんな中では下手の横好きの谷口が試合に出られるわけもなく、二軍の補欠として過ごす。これでは野球部に入った意味が無いと、青葉のレギュラーの座をあきらめ、野球をのびのび楽しみたいと思い、野球では無名の墨谷二中に転校したのだ。
 しかし、入部したその日に青葉のユニフォームを着てしまい、それだけで、凄い選手が来た、と誤解され、谷口はその期待の大きさに悩むことになる。
 その悩みを知った父親は谷口の特訓相手を買って出、大工の腕を活かして守備マシンまで造り、倅(せがれ)を青葉のレギュラー並の選手にしようと近所の御岳神社で猛特訓した。しかし上手くいかず、ナインの間でも谷口の実力を疑問視するようになった。
 一年近く経ち、三年生が卒業を迎え、新オーダー及び新キャプテンの発表があった。
 谷口はなんと、四番でサード、しかも新キャプテンに指名された。
 谷口は前キャプテンにこれを断り、実は青葉では二軍の補欠だったと打ち明けたが、前キャプテンは全てお見通しだった。
 谷口が入部した時のプレーを見てとても青葉のレギュラーとしての実力がないこと、その後影で血の滲む努力をしていたこと、そして、いまや谷口は青葉のレギュラーにも負けない実力を身につけたが、谷口自身がそのことに気付いてないことも……。
 他のナインからも熱い要望を受け、谷口の新キャプテン就任が決まった。

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